私は受講生に、好きなアーティストと好きな曲を聞きます。
それは、
憧れのアーティストがいて
好きな曲を歌いたい
その気持ちが良くわかるからです。
できる限り、
その歌を歌わせてあげたいなあと思います。
好きな歌を
思いっきり気持ちよく歌えたら
嬉しいですからね。
しかし、
実際にはその曲が、その人の声に合っているとは限りません。
一番の問題は、
曲のキーと音域の問題です。
キーというのは、曲の音の高さの設定。
音域というのは曲の中で使われている一番高い音 〜 一番低い音までの範囲のことです。
ある受講生の男性のお話です。
彼の通常ポジションは
「ソ (G2)」
(ピアノの真ん中のド(C4)よりも1オクターブ下⬇️のド(C3)よりさらに下⬇️のソの音)
通常ポジションというのは、普段喋っているリラックスして時の声の高さのことです。
そして歌いたい曲の最高音が、
「C5のド」
です。
最高音とは、歌のなかで一番高い音のこと。
C5とはピアノの真ん中のドより1オクターブ上の音。
画像で説明しますと、こんな感じです。
ピアノの鍵盤は、
左のほうが低い音(牛の鳴き声、ベースの音、大太鼓など)、
右のほうに行くほど高い音(小鳥の鳴き声、目玉のおやじの声、小太鼓など)になります。
彼の普段喋っている声の高さ「ソ (G2)」から、
彼が歌いたいという曲の最高音「C5のド」までは、
この鍵盤でいうと、30鍵分の距離があります。
3オクターブ近く離れているんですね。
つまり、彼がこの歌を原キーで歌うために必要な条件は、
「ソ (G2)」から「C5のド」以上あと2、3音くらい分までの音を安定して出せるようになること。
「音域を3オクターブ以上安定して出せる」ということです。
彼はそのときはまだC4のドまでしか出すことができませんでしたので、
この歌は原キ-で歌うことは厳しいね、ということになりました。
歌う時の選曲にはこのような問題が必ずあります。
さて、この問題を解決する方法が2つあります。
みなさんは、どうしたらいいと思いますか?
答え1つ目は、キーを自分の音域に合わせる。
そして2つ目の答えは、音域を広げる練習をする。
ということです。
1.曲のキーを変えて自分のポジションとちょうどいいところに合わせて歌えば
自分が出せる範囲の音で歌うことができます。
ただし、曲の雰囲気が変わるのでいやだ、という方もいます。
(これについてはまた別の話がありますので、また違う機会にお話ししたいと思います)
どうしても原曲キーで歌いたい場合は、頑張ってトレーニングをして
音域を広げる努力をしてみます。
ちなみに、彼の選択はなんと2です。
彼にはどうしても原曲を大切にしたいという気持ちがあったので、
彼の気持ちを優先して彼のトレーニングにあたりました。
わたしはいつも、歌いたい人がどうなりたいか、ということを一番に考えるようにします。
そして、時間がかかりましたが見事に歌えるようになりましたよ♪
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